ドラマ｜黒書院の六兵衛の動画を１話から全話無料で見れる動画配信まとめ

しかし尾張藩は幕府を裏切った過去を持つ。そのために、江戸城へ向かうことに恐怖心を抱いていた。

けれども上の命令には逆らえない。

足を踏み入れた加倉井は、勝海舟（寺島進）に的矢六兵衛（吉川晃司）という人物について聞かされる。

六兵衛は、ずっと座ったまま動かないのだという。

将軍の御書院番士らしいが、全く口を開かないため行動の意味もよく分かっていない…。

城を明け渡しをする際には、何か騒動を起こしてはならない決まりがある。

容易に立ち退きを願えるような状況ではないので、加倉井は困ってしまった。

そこで六兵衛について情報を得るため、福地源一郎（駒木根隆介）という新聞の記事にできる出来事を探している男と共に、上野へと向かうことにした。

すると、現在の的矢六兵衛はニセモノであり本物ではないとの話を聞く。

その晩、六兵衛は座る場所を格式高いところへと移動させていて…？

的矢六兵衛（吉川晃司）を扱いあぐねていた加倉井は、六兵衛の屋敷を福地（駒木根隆介）と共に訪ねる。

しかし、六兵衛の父・清右衛門（田中泯）は、刀に手を掛けなら「去れ」と脅し、妻（若村麻由美）も言葉少なく、六兵衛に着替えを渡すのみであった。

使用人によると、ある朝突然見知らぬ家族がやってきて、家族ごと入れ替わったと言う。

さらに、元の六兵衛が薩摩と関わっている、とある悪徳高利貸の淀屋辰平（伊武雅刀）と会っていたことも発覚。

福地は、六兵衛を城内に送り込むために、入れ替わりを仕組んだのは薩摩ではないかと推測する。

加倉井は、六兵衛に風呂を勧め、勅使を迎える大広間から六兵衛を追い出そうとするが、風呂を出た六兵衛は、さらに格式高い「帝鑑の間」へ行き、居座り続けた。

勅使・西郷隆盛（竹内力）の入場を翌日に控え、焦った加倉井は、自らふんどし一丁となって六兵衛に脇差を渡すよう頭を下げた。

六兵衛は加倉井の頼みを聞き入れ脇差しを差し出すが、それは名刀肥前忠吉だった。

どんなに力ずくでも、六兵衛は動かすことはできず、あの手この手で六兵衛を動かそうとする。

本話では、西郷が入城を果たしたが、その後こともあろうに、六兵衛が居座る帝鑑の間の見物を申し出て、一触即発の危機に陥る。

その上、尾張藩主・徳川慶勝（千葉哲也）や天璋院（前田亜季）までもが六兵衛を見ようとやってきて、加倉井は絶対絶命の危機に直面する。

そんな混乱はおかまいなしに、六兵衛の居座りは大廊下御詰席から溜間へ、さらに次々に格式高い御部屋へと移っていく。

一方、闘志みなぎる彰義隊たちが上野に集結しており、官軍との戦が始まろうとしていた。

一方、加倉井(上地雄輔)と福地(駒木隆介)が悪徳高利貸の淀屋（伊武雅刀）から、旗本株を今の六兵衛に五千両で売ったいきさつを聞いていた。

淀屋は、元の的矢六兵衛に借金を返す代わりに旗本株を差し出すように言い、それを今の六兵衛に売ったというのだ。

清右衛門（田中泯）は元の六兵衛の父であるが、今の六兵衛の親として共に生活していることも話す。

六兵衛の居座りが気の毒になってきた頃、城内でうなぎが振る舞われた。

今まで握り飯しか食べなかった六兵衛も加倉井らに根負けし、涙しながらかば焼きを食べる。

暫し安らいだものの、六兵衛はまたもや部屋を移ることに。移動先は、将軍職を御前とする崇高な部屋だった。

その晩、六兵衛の体に異変が起きる。

半年間も粗食を続けていたため六兵衛の体がうなぎに拒否反応を起こし、腹を壊してしまったのだ。

加倉井が呼んだ医者に薬を処方してもらうが、六兵衛は薬を飲もうとしない。

厠へ行こうとするが、途中で倒れてしまう。

加倉井（上地雄輔）は薬を飲もうとしない六兵衛（吉川晃司）に頭を抱える。

そこへ幼少の徳川家たちが姿を見せ、家族のためにも生きてほしい、と言う。

説得された六兵衛はようやく薬を飲んだ。

元号が明治に代わり、久々に家へ戻った加倉井。

しかし、妻のしずゑ（芦名星）は長期間の留守に対して激怒する。

加倉井はしずゑが六兵衛の妻と会っていたことを知り、福地（駒木根隆介）と共に再び六兵衛の家を訪ねた。

六兵衛がやってきたいきさつを清右衛門（田中泯）がついに語り始める。

清右衛門も六兵衛の正体は知らず、問いただすこともしなかったという。

清右衛門は的矢家の血筋ではなく、元の六兵衛も清右衛門夫婦との血縁関係のない養子だった。

天皇入城の儀式が、六兵衛の居座る黒書院で行われることになる。

加倉井が黒書院を出るように依頼するが、六兵衛は動かない。

そして天皇入城前夜、加倉井は全てを受け止め、六兵衛相手に酒を酌み交わす。

そして共に新しい時代を生きることを約束する。

しかし、六兵衛（吉川晃司）は黒書院に居座り続ける。

加倉井(上地雄輔)が西郷隆盛（竹内力）や大久保利通（西原誠吾）、木戸孝允（野中隆光）らと今後について話し合うが良い策が思いつかない。

強硬派の木戸は我慢の限界に達し、六兵衛を力ずくで追い出そうとする。

険悪な雰囲気の2人の間に加倉井が割って入るが、そこへ六兵衛の噂を聞いた天皇が姿を見せる。

六兵衛と天皇が黒書院で対峙する。

一言も交わさずに、思いを通わせる2人。

六兵衛は、天皇から「しかと」という言葉を聞くと、目的を果たしたように黒書院を去る。

城内の者たちが城を出ていく六兵衛を見送る中、加倉井だけは声高に六兵衛の名前を呼びながら後を追いかける。

六兵衛が加倉井を強く抱きしめた。お互いの脇差しを交換し、加倉井と六兵衛は別れの挨拶を交わす。

城門の外には六兵衛の妻と子が待っており、3人はそのまま黙って江戸の町へ消えていく。